100530 6月の庭へ

 

 今日は5月30日。にぎやかな5月の庭はもう終わってだいぶ経つ。そのさみしくなった庭にもわずかに彩りを添えてくれる花が咲いている。生垣の横にこぼれんばかりの花をつけた「ウツギ」。バイカウツギや姫ウツギにだいぶ遅れて今が満開である。玄関の横にあるモミジのこぼれ木の傍らにひっそりと咲いているのが「ユキノシタ」。この花はある方にいただいた想い出の花であるが、わずか2㎝ほどのこの花もよく見れば造花の妙といっていい。

 もうひとつ、「ドクダミの花」が咲いている。ドクダミは昔の家では北側の便所の横に群生して縁側を開けるとにおいがすごかったなと覚えている。どこにでもあって特に園芸として植えるようなものでもなかったが、今我が家に咲いているドクダミは八重のもので清楚な印象を与える。この花も友だちにいただいたものだが、彼は安曇野に移り住んでしまった。中津の家にあったものをもらってくれと置いていったものだが、それ以来どんどん増えてしまった。八重は珍しいのかいろんな方が欲しがるのであちこちに嫁入りしている。これは開いたばかりなのだが、盛りの時には花びらの片隅に紅い色が浮き出て恥じらいの表情を見せてくれる。

 このあと我が家はアジサイの庭へと変わっていく。連れ合いが好きで植え続けてきた。さっき数えてみたらちょうど40本のアジサイがあった。ふつうのからガクアジサイにカシワバアジサイにお気に入りのヤマアジサイまで。たくさんの蕾をつけてあとは梅雨を待つばかり。そういえば、裏にある「墨田の花火」は待ちきれずに花を伸ばし始めている。 

100529 手づくりの結婚式

   

  朝8時には出発するというので7時には朝食会場に行くが、いつかも書いたが飛び交う言葉が分からない。まさに「飛び交う」である。ここはいったいどこの国なのかとつい思ってしまう。昨日に比べたら穏やかな陽気である。どこかから鳥の鳴き声が聞こえてくるがどうもおかしい。やわらかな日ざしは差し込んでくるが窓は閉まっている。聞こえるはずはないのだが。

 時間ちょうどに甥の車が玄関前にやってくる。夫婦と娘(大学生)の三人で息子(高校生)は土曜日にもかかわらず登校しているので、午後新幹線で追いかけてくるのだとか。私立だからということもあるがいつの間にか土曜日は授業日になったようだ。

 式場は知り合いの牧師さんのおうちだと聞いていたがたしかに「おうち」だった。ふつうの住宅が建ち並ぶ中のふつうの家で、裏には茶畑とその先にきれいな池が見えるのどかな風景の中にある。教会は住宅に建て増した形で手造りである。祭壇の部分は5年前に5万円で作り、横のマキストーブは中国製で3万円。インターネットで手に入れた煙突の方が高かったとか。うれしそうに説明する牧師さんの笑顔が素敵である。

 新郎側が10人。こちらは13人。これでもう会場はいっぱい。ほんとにかわいい手づくりの結婚式である。小学生の娘さんが冷たい麦茶を持ってきてくれる。中学生の息子さんはパソコンの担当である。牧師さんが電子オルガンを弾き、奥さんがともに歌う。新郎と牧師さんはともにジーパン。新郎の上はアロハ。すでに新婚旅行でハワイに行ったとか。新婦だけは一応白いドレスを着て、手にはブーケ。紙にはコサージュをつけている。これは私の連れ合いが彼女にために手づくりして送ったものである。

 なんともあっけらかんと簡素である。(5/8) 

100528 バイバイ!

  お店からの展望

  あっという間に時間が過ぎていく。そろそろと思っていると突然むこ殿が帰ってくる。上司が帰って準備をしなさいといったそうだが、私たちがきているからという理由ではないがなんともありがたい話である。これでまた孫といる時間が増えた。こんなに早く帰ることなどほとんどないと聞いていたのだが、私たちが来た時に限ってこんなに早く帰ってくるというのにはなにか・・・・・。

 横浜の甥と約束していた会食を急遽キャンセルして娘夫婦と出かける。娘はせっかく約束したのにそれをキャンセルするなんて相手に失礼よ、というが、それはそれ。こんなチャンスはめったにないのだからそれを優先しないで何をする。場所は三軒茶屋の駅ビルの最上階にあるレストランである。店の名前を「スカイキャロット」という。都内を一望できる展望レストランというのが売りである。たしかに高層ビルが見渡せるし、はるか遠くに東京タワーが見える。普段はとても連れてこれないという孫がどうしたことか、私たちから見れば彼のどこが大変なの?というほどおとなしい。ここでも彼なりに気を使ってくれているようだ。私もこれまで食べたことのないパスタに挑戦した。郷に入れば郷に従えで若い人に合わせないと嫌われてしまう。正直、美味しかった。

 8時、三軒茶屋の駅で別れる時、それまで「バイバイ、バイバイ!」と繰り返していた孫がきょとんとした表情をしている。「バイバイ」の意味を知らずに使っていたようだ。その表情がだんだんと悲しそうなものに変わっていく。変わっていく事がちょっぴりうれしくもあり、うんと辛くもなる。こうしていろんな思いをうんとためて彼も大人になっていくのであるが、その思いの中に少しで関わっていけたらとつくづく思う。

 三軒茶屋から新横浜までの間、二人とも妙に黙り込んでしまう。孫とのふれあいを思い出して余韻に浸る時間でもあるが、急にウキウキする気分を取り上げられたような変な時間でもある。

 新横浜では雨が降り出した。(5/7)

100526 往復40分

     

  今日火曜日は休館日。前の席の指導員も休みを取ったので、全くの独りである。意外と新鮮な気分である。昼休み、郵便局まで歩いた。今晩めったにない会議が開かれる。自分が事務局なのでどうしても逃れるわけにはいかない。とすると、いつものように夜歩くというわけにはいかなくなるのでその代わりにというわけである。

 昨日の帰りに甥に送る結婚式のCDを出し忘れたので、夜歩くついでにいつも引き返す目印にしているファミリーマートで送ろうとした。ところが、どうしたことか受け取ってもらえなかった。そうこうしていると必ず忘れてしまうので、覚えているうちにと夜歩けない分と合わせて昼休み郵便局まで歩いたわけである。それもただ国道を歩くだけでは芸がないと裏のグランドを通ることにした。

 グランドから国道まではけっこうな坂道である。全く車も通らない。緑の中からウグイスの鳴き声が聞こえる。だけでなくじゃれているのか絡み合いながら目の前を滑っていく。両側にはアザミが赤紫の花を見せている。小さな棚田には水が張られて田植えの準備が始まっている。カエルの鳴き声も聞こえ、畦道の草むらには蛇がのんびりと日向ぼっこをしている。水の中には白いサギが静かに立っている。見る分には「静かで、のどか」な一幅の絵画のような景色なんだが、そこに住む小さな生き物たちにとっては生きるか死ぬかの世界なんだろうな。 

 郵便局まではジャスト20分かかった。夜歩く時よりも10分ほど少ないがその分坂道である。帰りは大変だぞ!

100525 おもてなし

自主的に削除
   

 「左」ー駅の構内から写した駅前の風景。来た・ちらっと見た・通り過ぎたというやつだ。せっかくだから「ハチ公」を見たかったといったら、わざわざ見るほどの価値はないよと言われてしまった。そうは言われてもね。一度は見たかった。
 「右」-これが彼のおもてなし。もっともっとたくさんの写真を撮ったんだけど・・・・・。
 

 羽田に着く。京急で品川へ。ところが、この電車は品川行きなのか不安になる。あわてて来た電車に飛び乗ったからである。田舎だとほかにないから間違えようがない。厚かましくも前に座っている男性に聞くとわざわざ外に出て確かめてくれる。彼の優しさにこちらの方が恥ずかしくなってくる。見るからに純朴な印象を与える人だったが、都会にもこういう人がいるのかとうれしくなる。というよりそう思うこと自体が偏見だとは分かっている。人が人である以上、都会の人は全て冷たくて、田舎の人間は全て優しいなんてあるわけがない。なのについそう思ってしまう。

 品川で乗り換え、渋谷へ。孫が外食できない(それだけ激しく動き回るそうだ)というので品川駅の地下でお弁当を買っていくことにする。渋谷に着くと、改札口の向こうに△△くんが待っている。こちらに気がついて走り出しこける。なにをしてもかわいい。降っているかどうか分からないくらいの雨の中を社宅へと急ぐ。女子大の横を通って大通りから数百メートル入ったところに何棟かの古いアパートが並んでいる。

 あとで聞いた話だが、今娘たちが住んでいる部屋は以前は二軒だったところを一軒にリフォームした棟で、夫婦と子ども一人にはまあまあの間取りである。ところが、前の棟では以前のままでそこに夫婦だけかそれに子どももいる家族も住んでいるとか。団塊の世代が辞めていったあとを埋めるために若い人たちを次々に採用しているために住宅環境の整備が追いつかないのだという。

 孫が私たちのためにいろいろと遊びを見せてくれる。ミニカーをありったけ出してくれる。ミニカーの写真集で母親の言葉にあった写真を指差してくれる。とにかく車が好きだ。パズルを始める。どうして覚えているのかあっという間に完成させる。連れ合いや私の膝にまで乗ってくれる。こちらはめったに会う機会がないので当然だと思っていたが、いつもいる娘は普段と違うという。わずか二歳にして必死になって私たちをもてなしてくれているのである。

 連れ合いはこのために簡単な録音機を買っていた。△△くんの声を記録していつも聞くのだという。(5/7) 

100523 いざ出発!

黒の機体はスターフライヤー。搭乗したのはJALでした。 小倉上空、けっこう撮れてます。帰りの機内からも素敵な写真が取れました。

 

 姪が結婚をする。住んでいるのは静岡県の掛川市である。若くして死んだ一番上の兄の子どもで、事情があって中学校から高校を卒業するまで私の母親が引き取って育てた。彼女は私のことを「ケンボニイチャン」と呼び、連れ合いも「ユリコネエサン」と呼ばれている。叔父・姪というより兄弟姉妹に近いのかもしれない。

 その姪がどうしたことかこれまで縁がなかった。身内びいきかもしれないが容姿もまあまあだし性格も明るくて、どうして縁がないのか七不思議のひとつだった。東京でずっと福祉関係の仕事についていたのだが、今から数年前に静岡にある同じような施設から呼ばれて移住してしまった。それが昨年突然連絡があり、結婚しますという。もうあきらめたというより全く考えていなかったので唖然としてしまったものだ。

 横浜に住んでいる彼女の双子の兄の下が一緒に行きましょうと声をかけてくれたので、甥の一家(4人)と私たち夫婦6人で行くことにする。そのために横浜で前泊し、ついでに東京に住んでいる娘、というより孫に会いに行くなど盛りだくさんの内容になってしまった。

 北九州空港で出発時間を待っていると、向こうから歩いてくる二人のうち、ひとりが笑いかけてくる。○○先生である。同じ飛行機で東京に行くという。10歳は違っていたが、昔から親しみを持っていた人である。昔むかし、連れ合いと行った「うしお」という居酒屋でばったり出会い、向こうからビールの差し入れをしてもらって恐縮したのはいまだに覚えている。まさかこういうところで巡り会うとは・・・・。こういうことがあるから人生は面白いし、そのためには家に引きこもってばかりではこうはならない。ブログを読んでもらおうと機内で名刺の裏にその旨を書く。羽田に到着した後、動く歩道で追い越していく彼に手渡す。さあ、結果はどうでるか?(5/7)

100520 藤とダイダイ

   
   

  通勤途上の道路沿いの山の中に紫色が目立つようになって、ある場所の藤の花のことが気になり始めた。宇佐市四日市にある千財農園には本業の茶畑に隣接して約180本の藤が植えられている。インターネットを見ると220本と書かれていたり、240本と書いてあるものまであってどれが本当か分からない。要はそれだけ多いということである。もとは新茶を買いにくる方に喜んでいただけたらという思いから始めたそうである。

 今回は宇佐の虎ファンの方の勧めもあったのと明るい初夏の陽ざしに誘われて・・・・。四日市インターを降りて案内板にしたがっていくとすぐに農園に着く。とにかく壮観である。5月3日、非常に暑い陽気だったが、藤棚の下は日陰になり、近くの小倉の池を渡ってくる風が心地良い。しかし、藤のにおいが強烈である。「むせかえるような」という表現があるがこれだけの藤の花に囲まれたら当然か。顔に触れるほど垂れ下がった藤の花がどこまでも続く。紫や白、そして八重の花まである。あまりのにおいに「トイレの芳香剤みたい」といった人がいたが納得である。それにしても見物客の多いこと。介護施設に入っているお年寄りが施設のマイクロで来ているのが目だった。

   三脚を出し、万全のつもりがリモコンが見つからない。思い切ってシャッターを押したが案の定ぶれてしまった。

 もうひとつ。夜、1時間ほど歩いているが3日ほど前から決まった場所でなにかのにおいがするのに気がついた。金星と月の大接近の日だったのでよく覚えている。それが今日(19日)、特ににおいが強くなった。久しぶりの雨の後なのでにおいがこもっているようだ。すでに暗くなっていたが辺りを見回すとあった、あった。道路沿いに植えられたダイダイの木にたくさんの白い花が咲いている。とてもこの強烈なにおいの元だとは思えない清楚な花である。

 藤にしろ橙にしろ、これだけたくさん集まるともはや「かおり」ではなく「におい」の方がぴったりである。

100517 有田陶器市(投稿151回目)

   

  柿右衛門窯を出ていつものスーパーの屋上に停める。この辺りはどこも千円である。少し離れると500円のところもあるがなにしろこの暑さである。そういえば陶器市に来て涼しかったという記憶はない。いつも照りつける日差しにジリジリと焼きつけられながら、犬のようにあえぎながら歩いてばかりだったような気がする。今日も温度計はすでに「29度」を記録しているが、実際は軽く30度は超えているはずだ。

 先ずはスーパーを出たところで冷たいビールを買う。キンキンに冷えた奴である。露天でテンプラを買って休憩所のテントにもぐりこんでビールを飲み、テンプラにかじりつく。これが陶器市での楽しみのひとつである。ほんとはこれで帰るはずだった(源右衛門と柿右衛門にさえ行けばあとは行かなくていいなんて話していたのに)のに、とうとういつものようにうだるような暑さの中を歩き出す。これこそが陶器市の醍醐味である、なんてね。さすがに以前のように一軒一軒しらみつぶしに店をひやかしてまわる元気はない。それでも有田駅から深川製磁までの距離を往復する。

 途中、以前七宝焼きの陶板を買った店を見つけたのが運のつき。店に入って作品をいろいろ見ていたらつい欲しくなってしまった。前回は「葡萄」を買ったのだが、今回はハーブが9枚も入った大きな額縁が気に入ってしまった。今は見本しかなくなったので2ヵ月後には送りますという話だった。その時止めておけばよかったのにという気がしないでもない。連れ合いのことをいう資格がありません。

   
   深川の前にある「辻修さんのお店」はぜひ見て欲しい。

 14時15分にスーパーの屋上を出る。波佐見有田から西九州道に入り長崎自動車道へ。ほとんど渋滞に出会うことなく、17時ジャストに家に着く。大分自動車道はスムーズだったが、同じ時刻、大宰府から小倉南の間では最大47キロの渋滞が起きたとニュースで言っていた。田舎道もいいもんだと笑う。 

 気がついたら前回の投稿で「150回」を記録していました。まさか1年間で150回も行くとは・・・・・。