100607 キス釣り

     
 たしか熊毛の海?  後姿に哀愁漂う漁労長  だれだ!こんなの釣ったのは

 
 土曜日にはなんとしてでもタマネギの収穫をしなければと思っていたのに、こんな時に限って携帯がかかってくる。久しぶりの釣りへの誘いである。もう何年ぶりになるだろう。前回はいつだったのか忘れてしまった。最近こそ連れ合いに「もう忘れられたみたいね」と言われたばかりなのに、それが聞こえたのか「明日、キス釣りに行こうと思うちょっけどどげ~すっかや?」といつもの口調でかかってきた。どげ~するも何も行くに決まっちょるやないか。聞くだけ野暮というものです。

 彼は毎日魚を釣っていたいというくらいの釣りキチというよりも・・・・漁師といった方がいいくらいだ。仲間内では「漁労長」と呼ばれている。現職のころからだったと思う。年に2~3回だが決まって携帯にかかっていた。「こんどはどげかや~?」と。道具からエサまで、夜になることが多かったから頭につけるライトまで何もかも彼が用意してくれて、坂ノ市から米水津まで出かけていた。いつも足手まといになっていたのによくもまあ腹も立てずに誘ってくれていたものだ。

 今回は私にとっては始めての高田から国東にかけての海岸で、目当てはキスである。初めは呉崎の干拓地、1号地の堤防である。暑くなりそうだからむぎわら帽子は忘れんなよと言われていたが、とにかく暑い。堤防の上だから照り返しが半端でない。海風が吹いている時はいいが、そうでないと海面がキラキラ輝いて頭がふら~っとする。おまけにはじめにかかったきり全く当たりがない。こんなはずはないと場所を移動する。次は熊毛の海岸である。ところがここでも引きがない。そうこうしながらいったい何ヶ所移動しただろうか。5ヶ所までは覚えているが後は思考停止。
 「キス釣りでこんなに釣れないのはあまり覚えがない」と漁労長が嘆くのだから仕方ないか。それでも一番形のいいのと一番小さいのを釣ったし、責任を感じたのだろう、釣れたキスは全部私にくれた。こういうところから友情は深まっていくと思う。(6/5)

     
     

 北アルプスは何度訪れても感動をくれる、と書いてありました。

100606 温かさ

日本アルプスか? コイワカガミ

 ほんとに今回の旅では横浜の甥一家にお世話になった。甥夫婦もその大学生の娘も高校生の男の子も見事なくらい温かい一家である。有くんは「特には気を使っていませんよ、これが素です。」というが、児童虐待のあまりの多さ、殺人の簡単さ・むごたらしさを感じるこの頃、なおさら温かさがうれしい。羽田まで送ってくれ、別れるとき二人の若者と握手をしたがその手の温かさが心地良かった。今これを飛び立つ前、空港をタキシングしている機内で書いている。年をとって気が短くなったと自覚しているが、その分涙もろくなってしまった。そろそろ飛び立とうとしている。走りが早くなったしエンジン音も大きくなった。そして、大きく揺れだした。

 そうそう、搭乗口前のイスで待っている間、少し離れたところに思いがけない人を見つける。二日前に同じ飛行機に乗った先生である。おそらく向こうも気がついたのではないかと思うがあえて知らないままにする。行きと違って少し疲れている。こういう時にはむしろ知らん顔をする方が礼儀だと思う方である。彼も気持ちの良い週末を過すことができただろうか。

 羽田を出て20分ほど過ぎた頃、眼下に雪山を見る。こんな景色を見るのは始めてである。おそらく日本アルプスではなかろうか。デジカメで撮ろうとすると動かない。「カードがいっぱいになっています」というメッセージが出ている。あわてて一眼レフを取り出すが、上手く取れていればいいのだが・・・・・・。

 何かイベントがあるたびにできるだけそれを利用して会うようにしてきたが、だんだんとそのイベントも少なくなってきた。これからは別れのイベントが中心になりそうだ。3日間の旅、少し疲れていると書いたが確かにもう若くない。(5月9日)
 
 今回の静岡への写真紀行はこれで終わりです。長々お付き合いくださいましてありがとうございました。今のところ7月にまた旅行を考えています。それまでは身辺雑記にお付き合いください。右の写真は久しぶりの「安曇野通信」です。夏の北アルプス登山に備えて「里山歩き」に励んでいるそうです。熊との遭遇が心配なのですがと書いているが、熊がそんなに身近にいるなんて・・・・。

100602 三渓園

   
 ねむの木こども美術館  富士SAからの富士山

 帰り、行きに見つけていた「ねむの木子ども美術館」に立ち寄る。「吉行淳之介文学館」にも興味があったがそんなに時間は取れない。美術館に入ってびっくりした。みんなもびっくりして声も出ないという状態だ。子ども(?)たちの作品が並んでいる。どの絵にも共通しているのが、同じ部分が繰り返し描かれていることだ。その繰り返しが半端でない。延々と・・・・・、細密画というべきなのか。それとも少し違っているような気がした。絵を教えている人が言っていた。こういう障害を持つ子どもだから描くことのできる絵ですよ、と。

 帰りも行きと同じくスムーズである。途中昼食に立ち寄った富士サービスエリアでは目の前に富士山が見える。行きの飛行機から見えたのは雲ばかり。前日の高速でもすっぽり雲に覆われていたのが、今日は見事にその美しい姿を惜しみなく見せてくれている。その富士を見ながら名物の「ひつまぶし」を食べ、高校生の有くんと話をする。大人の会話に合わせてくれるし気を使ってくれているのがよくわかる。楽しかった!

   
旧燈明寺三重塔   旧矢篦原家住宅

 思いのほか早く横浜に着いたので以前も連れて行ってくれた「三渓園」を全員で見学する。前回は時間が足りずに駆け足で見てまわったが、今回はゆっくりと鑑賞することができた。5万3千坪の広さの中に京都や鎌倉などから集めた歴史的建造物が散りばめられている。その中でもなんといっても「旧燈明寺三重塔」が一番目を引く。近くで見るのもいいが、遠く池越しに、それも岸につないでいる小舟(わざわざ絵になるように置いてあるそうだ)越しに見る三重塔が風情があっていい。もうひとつ、岐阜県白川郷にあった江戸時代の庄屋の家を移築した合掌造りの建物がすばらしい。近くにこんなすばらしい場所を持てる人がうらやましい。一年を通じてその時々のすばらしい季節を堪能できるし、様々なイベントを鑑賞できる。さっそく6月の初めには「蛍の夕べ」があり、午後8時30分まで開園しているとのこと。(5/9)
 

   
 小舟越しの三重塔  カワセミがいるのが分かりますか?

100601 三鞍の山荘

   
   

  式の後、全員で遠州森町三倉にある「三鞍の山荘」へ向かう。掛川の町を通り抜け山の中に入ること約1時間。こんな山奥にという山の中にフランス料理・今井シェフの経営する山荘がある。この方は最近もテレビに出たとか。知る人ぞ知るフランス料理界の大物である。

 今井シェフがあいさつで言う。「16年前、なんでこんな山奥にと言われたが、前の谷は風が通り、後ろの山からは美味しい水が集まってくる。そんな土地をここに見つけてお店を作りました。つまり、お客様のことは全く考えずに自分の思いを大切にしました」と。そして、今日のために作る料理「海の幸とパイ包み焼き」のことを話してくれました。さまざまな料理と美味しいワインが出たが、やはり「海の幸」のすばらしさが際立っていた。レポーターのようには上手く表現できないけれど「幸せを感じる料理」(結婚式にかけた苦心の作はどうですか?)というものを食べたのは始めてである。

 
   

 約2時間の素敵な料理と楽しい会話の食事会も終わる。今晩はそのままこの山荘に泊まる。夜、一部屋に集まって二次会というか、原田家恒例のトランプが始まる。

 翌朝、みんなは食堂で朝食を食べるが、山荘の人が声をかけてくれたのでテラスに出て風に吹かれ、鳥の声を聞き、目の前の斜面に広がる茶畑を眺めながらゆったりといただく。何にも考えずにただひたすら眺め、ただひたすら食べる。

 食事後、現地解散のはずが新婚さんの新居を見ようということになった。家のすぐ裏には大きな川が流れ、土手には桜並木が続く。前の田んぼはすでに田植えも終わり、水を張られた田んぼからはかえるの鳴き声が聞こえる。ある意味、東京での生活に疲れていた彼女にとってはここは理想的な癒やしの環境かもしれない。ただひたすら彼女の第二の人生(ちょっと遅くなったけど)の幸せを願わずにはいられない。(5/9)

100530 6月の庭へ

 

 今日は5月30日。にぎやかな5月の庭はもう終わってだいぶ経つ。そのさみしくなった庭にもわずかに彩りを添えてくれる花が咲いている。生垣の横にこぼれんばかりの花をつけた「ウツギ」。バイカウツギや姫ウツギにだいぶ遅れて今が満開である。玄関の横にあるモミジのこぼれ木の傍らにひっそりと咲いているのが「ユキノシタ」。この花はある方にいただいた想い出の花であるが、わずか2㎝ほどのこの花もよく見れば造花の妙といっていい。

 もうひとつ、「ドクダミの花」が咲いている。ドクダミは昔の家では北側の便所の横に群生して縁側を開けるとにおいがすごかったなと覚えている。どこにでもあって特に園芸として植えるようなものでもなかったが、今我が家に咲いているドクダミは八重のもので清楚な印象を与える。この花も友だちにいただいたものだが、彼は安曇野に移り住んでしまった。中津の家にあったものをもらってくれと置いていったものだが、それ以来どんどん増えてしまった。八重は珍しいのかいろんな方が欲しがるのであちこちに嫁入りしている。これは開いたばかりなのだが、盛りの時には花びらの片隅に紅い色が浮き出て恥じらいの表情を見せてくれる。

 このあと我が家はアジサイの庭へと変わっていく。連れ合いが好きで植え続けてきた。さっき数えてみたらちょうど40本のアジサイがあった。ふつうのからガクアジサイにカシワバアジサイにお気に入りのヤマアジサイまで。たくさんの蕾をつけてあとは梅雨を待つばかり。そういえば、裏にある「墨田の花火」は待ちきれずに花を伸ばし始めている。 

100529 手づくりの結婚式

   

  朝8時には出発するというので7時には朝食会場に行くが、いつかも書いたが飛び交う言葉が分からない。まさに「飛び交う」である。ここはいったいどこの国なのかとつい思ってしまう。昨日に比べたら穏やかな陽気である。どこかから鳥の鳴き声が聞こえてくるがどうもおかしい。やわらかな日ざしは差し込んでくるが窓は閉まっている。聞こえるはずはないのだが。

 時間ちょうどに甥の車が玄関前にやってくる。夫婦と娘(大学生)の三人で息子(高校生)は土曜日にもかかわらず登校しているので、午後新幹線で追いかけてくるのだとか。私立だからということもあるがいつの間にか土曜日は授業日になったようだ。

 式場は知り合いの牧師さんのおうちだと聞いていたがたしかに「おうち」だった。ふつうの住宅が建ち並ぶ中のふつうの家で、裏には茶畑とその先にきれいな池が見えるのどかな風景の中にある。教会は住宅に建て増した形で手造りである。祭壇の部分は5年前に5万円で作り、横のマキストーブは中国製で3万円。インターネットで手に入れた煙突の方が高かったとか。うれしそうに説明する牧師さんの笑顔が素敵である。

 新郎側が10人。こちらは13人。これでもう会場はいっぱい。ほんとにかわいい手づくりの結婚式である。小学生の娘さんが冷たい麦茶を持ってきてくれる。中学生の息子さんはパソコンの担当である。牧師さんが電子オルガンを弾き、奥さんがともに歌う。新郎と牧師さんはともにジーパン。新郎の上はアロハ。すでに新婚旅行でハワイに行ったとか。新婦だけは一応白いドレスを着て、手にはブーケ。紙にはコサージュをつけている。これは私の連れ合いが彼女にために手づくりして送ったものである。

 なんともあっけらかんと簡素である。(5/8) 

100528 バイバイ!

  お店からの展望

  あっという間に時間が過ぎていく。そろそろと思っていると突然むこ殿が帰ってくる。上司が帰って準備をしなさいといったそうだが、私たちがきているからという理由ではないがなんともありがたい話である。これでまた孫といる時間が増えた。こんなに早く帰ることなどほとんどないと聞いていたのだが、私たちが来た時に限ってこんなに早く帰ってくるというのにはなにか・・・・・。

 横浜の甥と約束していた会食を急遽キャンセルして娘夫婦と出かける。娘はせっかく約束したのにそれをキャンセルするなんて相手に失礼よ、というが、それはそれ。こんなチャンスはめったにないのだからそれを優先しないで何をする。場所は三軒茶屋の駅ビルの最上階にあるレストランである。店の名前を「スカイキャロット」という。都内を一望できる展望レストランというのが売りである。たしかに高層ビルが見渡せるし、はるか遠くに東京タワーが見える。普段はとても連れてこれないという孫がどうしたことか、私たちから見れば彼のどこが大変なの?というほどおとなしい。ここでも彼なりに気を使ってくれているようだ。私もこれまで食べたことのないパスタに挑戦した。郷に入れば郷に従えで若い人に合わせないと嫌われてしまう。正直、美味しかった。

 8時、三軒茶屋の駅で別れる時、それまで「バイバイ、バイバイ!」と繰り返していた孫がきょとんとした表情をしている。「バイバイ」の意味を知らずに使っていたようだ。その表情がだんだんと悲しそうなものに変わっていく。変わっていく事がちょっぴりうれしくもあり、うんと辛くもなる。こうしていろんな思いをうんとためて彼も大人になっていくのであるが、その思いの中に少しで関わっていけたらとつくづく思う。

 三軒茶屋から新横浜までの間、二人とも妙に黙り込んでしまう。孫とのふれあいを思い出して余韻に浸る時間でもあるが、急にウキウキする気分を取り上げられたような変な時間でもある。

 新横浜では雨が降り出した。(5/7)

100526 往復40分

     

  今日火曜日は休館日。前の席の指導員も休みを取ったので、全くの独りである。意外と新鮮な気分である。昼休み、郵便局まで歩いた。今晩めったにない会議が開かれる。自分が事務局なのでどうしても逃れるわけにはいかない。とすると、いつものように夜歩くというわけにはいかなくなるのでその代わりにというわけである。

 昨日の帰りに甥に送る結婚式のCDを出し忘れたので、夜歩くついでにいつも引き返す目印にしているファミリーマートで送ろうとした。ところが、どうしたことか受け取ってもらえなかった。そうこうしていると必ず忘れてしまうので、覚えているうちにと夜歩けない分と合わせて昼休み郵便局まで歩いたわけである。それもただ国道を歩くだけでは芸がないと裏のグランドを通ることにした。

 グランドから国道まではけっこうな坂道である。全く車も通らない。緑の中からウグイスの鳴き声が聞こえる。だけでなくじゃれているのか絡み合いながら目の前を滑っていく。両側にはアザミが赤紫の花を見せている。小さな棚田には水が張られて田植えの準備が始まっている。カエルの鳴き声も聞こえ、畦道の草むらには蛇がのんびりと日向ぼっこをしている。水の中には白いサギが静かに立っている。見る分には「静かで、のどか」な一幅の絵画のような景色なんだが、そこに住む小さな生き物たちにとっては生きるか死ぬかの世界なんだろうな。 

 郵便局まではジャスト20分かかった。夜歩く時よりも10分ほど少ないがその分坂道である。帰りは大変だぞ!