140904 東北四大夏まつり7(湯瀬温泉)

  8時前になって雨が激しくなってしまった。慌てて近くのファミリーマートに避難する。店内は逃げてきた観光客でごった返している。ただ雨宿りでは申し訳ないのでアイスキャンディーを買う。孫が好きな「がりがりくん」だ。アルバイトの高校生だろう。袋に入れましょうか、と言われたのには恐縮した。

  この日の宿泊地は、秋田県の湯瀬温泉・湯瀬ホテル。到着したのは10時半。ただ温泉に入ってあとは寝るのみ。予定表が来てから、ホテルに入るのが遅すぎると文句ばかり言っていたが、ガイドさんの話では「この時季、ホテル・旅館は全てお祭り価格になります。倍です」と。祭り期間中、300万人もの人がやってくるのだから当然かもしれない。

140901 東北四大夏まつり6(ねぶた3)

  青森には「ジョッパリ精神」というのがある。寒くても、苦しくても耐え忍ぶ心だという。1年の半分を寒さに、深い雪の下で生きる東北の人々の心である。そして、春が近づいてくると心が「じゃわめ」いてくるそうだ。「じゃわめぐ」には、寒気がする。あるいは、ぞくぞくするという意味がある。

  暖かくなるにつれてじっとしていられなくなるのだ。厳しく長い冬があるからこそ、短いみちのくの夏だからこそ人々はその喜びを心の底から感謝し、喜び、身を焦がすのである。その表現が「ねぶた」なのだ。その喜びを直接表すのが「跳人(ハネト)」だと思う。

  浴衣に花笠、肩にタスキ、青やピンクのおこしに腰には器ガガシコつけて、白足袋に草履をはいて、ラッセラー・ラッセラーと叫びながら飛び跳ねる「跳人(ハネト)」が、ねぶたのもう一つの主役だ。誰かがラッセラー・ラッセラーと音頭を取ると、みんながラッセラッセ・ラッセラーと応える。今でもこの掛け声が時々頭の中を駆け巡る。