091227 東京物語最終夜(キャビン・アテンダント)


羽田空港

1枚では寂しいので

 席(54F)について、上着を脱いで、新聞を読み始まるまでは順調だったのに、急に咳き込み始める。それでもこれまでだと水を飲んだり、のど飴を舐めたりすると少しは落ち着いていたのに、今回に限っては治まるどころか激しくなり続けて、咳の止まる時がない。

 のどは言わずもがな、身体全体がほてり、目がチカチカしてくる。あまりのことにトイレに入ってシャツを1枚脱ぐ。機内の暖房が自分には耐えられないほどだし、下着はユニクロのヒートテック。普通のにしとけばよかった。咳のし通しで汗が出て、それで体温が上がり、むせてしまう。悪循環である。

 キャビン・アテンダントの方にお願いしてだれもいない最後尾の席へ移動させてもらう。快く応じてくれただけでなく、体温計は持ってきてくれるは、熱冷まシートまで持ってきてくれるのにはただひたすら「ありがとう!」というばかり。文字通り「有り難い」体験ではないか。生まれて初めて「熱冷まシート」なるものを額に張ったが、その冷たさの気持ちのよかったこと。

 そのあと、回ってくるたびの声をかけてくれる。咳は苦しかったが、その声を聞くだけでだんだんと治まってくる。「病は気から」を地でいって、とうとう治まってしまった。「私も秋に風邪を引いて、咳で胸を痛めてしまいました」などと話してくれた。キャビン・アテンダント(やはり昔ながらのスチュワーデスでないと実感がわかない)とゆっくり話すなんて経験がなかったので(おそらくほとんどの人はないと思う)、この「咳」もありかなんてニヤケた思いになってしまう。最後になって胸の名札を見る。それまではどうしても見る勇気がなかった。こんな思いをするなんてまだまだ捨てたもんじゃないな。

 「吉田」とあった。

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