091209 お石茶屋から竈門神社へ

 裏庭にはたくさんの茶店が並ぶ。さらに坂道を進むと、「お石茶屋」が見えてくる。筑前三美人のひとり「お石さん」が開いた由緒あるお茶屋さん。看板娘だったお石さんに一目会いたくて、文化人がこぞって通ったという。他の茶店と違って、古びた佇まいに土間づくり。こうした雰囲気に惹かれて一番奥にあるにもかかわらず多くのお客がやってくる。

 土間に入って食べるもよし。できたら外に紅い毛氈を敷いたテーブルがあるので、そこに座るのがお勧め。新緑と紅葉の季節には、ゆっくりと風に吹かれながら、景色を眺めながら「お抹茶と梅ケ枝餅」をいただく。ここの梅ケ枝餅はパリッと香ばしい皮とたっぷりの餡の加減が絶妙で、抹茶との相性も抜群で、何度でも通いたくなる。

 以前はすぐ上に弓道場があった。高校生たちが胴着に着替えて的を射ていた。特に女学生が居ずまいを正して的に向かう姿は、凛々しくてつい見とれていたものだ。ところが、いつからだろう。道場はなくなり、ただ草が生い茂っているだけだ。

 その先にはレンガ造りのトンネルがある。いつもはそこで引き返していたのだが、今回はその先に進む。このトンネルには「お石しゃんトンネル」の名前が付いている。炭鉱王麻生太吉が、美人のお石しゃんが遠回りをせずに自宅から直接店に通えるように造ったトンネルだという豪華な伝説もあるが、そういう伝説ができるほど美人だったということか。実際は、竈門神社や宝満山登山の人たちのために造ったというのが真相らしい。

 今回はその竈門神社まで足を伸ばす。駐車場のお兄ちゃんには40分ほどかかりますよ、と言われたが、歩くのは苦にならないからと頑張ってみた。すぐに登りになったが、実際は20分ほどで着いてしまった。歩いてよかった。途中から駐車場へ入ろうとする車が数珠繋ぎで、引き返そうにも道が狭くてどうしようもない。神社には紅葉狩りの人もいたが、大部分は宝満山に登る人たちのようだ。紅葉は他と同じで鮮やかさがなく、期待はずれだった。