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勤務を終えて帰宅してみると、連れ合いと娘が洋間で犬を抑え込んで格闘している。見ると、テーブルの上には蚤の死がいがきちんと並べられている。あっけにとられたが、すぐに正気を取り戻し、風呂に水を入れるように指示をする。暴れる子犬を抱えて水風呂につけると、意外におとなしくしている。これ以来15年間、時々シロを洗う役目は私のものとなった。引き上げると水は濁り、水面に蚤が浮かんでいる。何度かシャンプーで洗ってやると、ようやく白い毛並みを取り戻した。ご褒美に牛乳をあげると何杯もお代わりをする。こうして、彼は我が家の一員になった。
家族は素敵な名前をつけようと張り切ったのだが、私の「シロ」という一言で決着はついた。これ以外に彼にふさわしい名前があろうか。名前は平凡だが、女たちにとって「シロ」との出会いは運命的な巡り会いであり、特別な存在になった。どうして女たちはこうした考えが好きなんだろう。その考えに懐疑的な私は、この件に関しては彼女たちから村八分の仕打ちを受けることになった。