130718 イタリア紀行35 マテーラ1(サッシ)

南イタリアの町、マテーラにはサッシと呼ばれる洞窟住居群がある。石灰岩に掘られた横穴式住居の上に家が建てられ、そのまた上に家が積み重なり、どこからどこまでが岩でどこまでが家なのか分からなくなっている。渓谷を挟んで対岸には旧石器時代の集落跡が発見されているというから、古くから石灰岩を利用して人々が住み着いてきたようだ。

第二次世界大戦後、廃墟と化していたサッシは南イタリアの貧しさの象徴と見られていた。政府が保存に乗り出し、世界遺産への登録が後押しになって人々が戻り始めたという。現在は5分の一ほどが再利用され、オフィス・ホテル・レストラン(あとでその一つに行く)、もちろん住居としても一年中室温が変わらないという特色を生かして快適に住んでいる人もいるそうだ。なによりも、狭い地形で車が入ってこれないので、静かな日々を過ごしたい人にとっては理想的な土地になっている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です