120604 グミ

 今年も生垣の中から グミの赤い実が覗いている。だけでなしに、採(盗)るものが誰もいないので熟れた実が地べたに落ちている。散歩に出る時にひとつ採って口に含んでみる。たしかに今の子どもたちの口には合わないだろう。酸っぱくて、口の中に妙な後味が残る。なんかざらざらとしたものである。それなのに小さい頃、口いっぱいにほおばって食べた思い出がある。こんなものでもご馳走だった。
 あそこの家には柿がある。こっちにはびわがある。あそこの石桃は硬いけど美味しいぞ。中の「モーおっさんは見つかると怖いから夜に行こう」などと、今頃から秋までは町内のあっちこっちの生り物を食べて回った。スイカを盗りに新〇の浜まで遠征(町内を出ることを遠征なんて大げさに言ったものだ)した時にはそれなりのスリルを味わったものだ。
 今はこんなことをやったら大変なことになるだろう。というより今の子どもには絶対に思いつかないことだと思う。

120603 韓国桜紀行12(鎮海の軍港祭)

 鎮海(チネ)は海軍基地の街。人口17万の70%が軍人とその家族、そして、基地に関係した仕事に従事している人たちだそうだ。桜も多い。特定の場所にだけ咲いているのではなく、街全体が桜で覆い尽くされ、その数は34万本とも言われている。
 解放(昭和20年)後、すべての桜が日本を思い出させるものとして切り倒されたそうだが、ここに多かった桜の品種「王桜(ワンポッコナム)」の原産地が済州島であることが判明したことと、朴正熙大統領が植樹を指示したことも追い風になって、現在のような「桜の都」になったそうだ。
 桜の季節には「軍港祭」が開催され、国の内外から200万人以上の人が訪れる韓国最大の桜祭になっている。この時には広大な海軍基地も市民に開放されて、多くの人が基地内で行われる様々なイベントを楽しみ、桜を鑑賞する。時間のない私たちは残念ながら移動するバスの中からしか見ることができない。ゆっくり観たかったなあ。 

120601 韓国桜紀行11(余佐川ロマンス橋の桜)

   
   

 2002年に放送されたドラマ「ロマンス」のロケ地になったことから名付けられた橋の名前だそうだが、そういういわれがなくても十分美しい。川の両脇には菜の花が咲いている。桜のピンクと水の流れと菜の花。あふれる観光客。菜の花は今一だったが、桜はすでに散り始めている。本当に美しい時に訪れることができた。その三つが一度に見える橋の上では写真を撮る人が多くて、上品にしていてはなかなか順番が回ってこない。川に下りて下から見上げる桜も素晴らしい。

   

 小さな男の子が地面に降り積もった花びらを集めては投げ上げている。夢中でシャッターを切ったが、「幸せな気持ち」になれた一瞬だった。