大宰府での彼の目的は友だちへのお土産である。いろいろ迷っていたが、境内のお守りを売る所で小さな絵馬のお守りと参道のお土産物屋で小さな提灯を買う。自分にもお守りが欲しいというので買ってあげたが、自分ではおみくじを買っていた。「小吉」。特に、学問のところで「勉強して時を待て」の言葉に、今の自分の置かれた状況を考えて納得しているのにはおかしくもあり、ほほえましくもあり・・・・。
一番連れて行きたかったのは「お石の茶屋」である。11歳の子どもにはなんの思いも残らないとは思いながらも、いつか「おーちゃん」とあそこに行き、おーちゃんのくだくだ話すことを聞きながら、うどんと梅が枝餅を食べたなあと思い出してくれたら最高なんだが。
もう一箇所、「都府楼跡」。この日は21日(土)。翌日からは今年一番の寒気が入ったとかで震え上がる陽気だったが、この日は日向では汗ばむくらいだった。青空の下の、広い都府楼跡での時間は彼にどう映っただろうか。
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夕食はパリに戻ってサンルイ島の小さなレストランで。歴史あるお店という話だが、バスを降りて渡る橋の上からノートルダム寺院が真正面に見える。みんな立ち止まって写真を撮るが、橋の下ではタキシードとウエディングドレスの二人を撮影している。カメラマンだけで付き添いもいないので本物の新婚さんではないようだ。
小さな男の子と子犬を連れた中年の男性が声をかけてくる。寺院をバックに私たちを撮ってくれるというのである。言葉は通じなくてもそれ位は分かる。「メルシー」なんてカッコつけて、その話を江尻さんにすると真顔で「絶対にだめよ!」と言われてしまった。そんな風にしてカメラを持っていかれることが多いのだそうだ。「気をつけてください」と言われ続けてきたことはこれなんだと理解できたが、カメラは返してくれたし、その男性の笑顔も素敵だったからいまだに実感できていない。