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サン・マロ湾に位置するわずか200mにも満たない岩山に8世紀の始めに修道院が築かれる。当時のオベール司教が夢の中で大天使ミカエルに「この地に聖堂を建てよ」とのお告げ(奇跡)を受けた。三度目にやっと信じた彼が礼拝堂をここに建てたのが始まりという。
もともと当時の人々は、ほとんど平地のこの地に、しかも海の中に浮かぶ岩山に何か異様(=神聖)なものを感じていたのだろう。そこにこの奇跡が結びつくことによってモン・サン・ミシェルという信仰の地が生まれたのである。この湾の干満の差は最大で15mもあり、最も大きい満ち潮の時には猛烈な速度で潮が押し寄せ、多くの信者たちが亡くなったという。ここまでは全て江尻さんの受け売り。ここからは私。
彼らは押し寄せる海水に恐怖を感じながらこのモン・サン・ミシェルの地で、この崇高な姿を見ながら生を終える幸福感を覚えていた。こうした岩山にこれだけの修道院を建てた信仰心とここにたどりつこうとただひたすら歩き続けた信仰心とその姿を見た喜びと、大天使ミカエルの愛に包まれ、恍惚とした想いで溺れていった、と思いたい。
モン・サン・ミシェルといえば、海の中に浮かぶ修道院を思い浮かべる。ほとんどの人はそう思うし、だからこそ憧れの地でもある。ところが、現在のモン・サン・ミシェルは島と陸地の間に陸続きの道路が造られ、潮の干満に関係なく渡れるようになったのだが、これによって潮の流れがせき止められ、今では島の間際まで潮が満ちてくることはほとんどなくなっている。そこで、かつての姿を取り戻すべく道路を取り壊し、新たに橋を架けることが計画されているそうだ。これだけ陸地化が進んでいるのにかつての姿を取り戻すことなんてできるのだろうか。それこそ「奇跡」なのでは・・・・・