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別れる「許」さん | 出 国 |
『なぜ、台湾人は日本人を嫌いじゃないのか』というすごいテーマを二人の日本人を取り上げて教えてくれた。その一人は「鳥居信平(とりいのぶへい)」。80年も前、台湾の最南端・屏東県で、伏流水を生かした独創的な地下ダムを造る。その工法は風景や生態系を壊さず環境に配慮したもので、いまでも地域住民に恩恵を与えている。
もうひとり、「八田與一(はったよいち)」。当時アジア最大といわれた烏山頭ダムと1万6千キロにもおよぶ灌漑用水路を、10年の年月をかけて建設する。そのおかげでサトウキビすら育たなかった嘉南平野は台湾最大の穀倉地帯に変わる。今でも「嘉南大圳(かなんたいしゅう)の父」として畏敬の念をもって慕われている。
ふたりとも台湾のために生涯をささげ、二人とも「私」ではなく「公」のために生きた日本人である。そして、日本ではほとんど忘れられた存在でありながら、二人とも台湾の学校の副教材に取り上げられて、今も慕われているという。「台湾 鳥居信平あるいは八田與一」で検索するとたくさん出てくる。
この話をしてくれた後、許さんは「台湾人は日本人に感謝していますよ」という。こうした日本人がいたことを知り、そのことを教えてくれた許さんに出会い、『感謝』ということばを聞けたことが、今回の台湾紀行の最大の成果なのかもしれない。