110504 津和野紀行2(静かな町)

偶然だが人影が途絶えた 11月をもって休業とあった  

 「アンノン族」ー懐かしいひびきだ。おそらく今の若者には何のことか分からないだろうが・・・・。1970年の大阪万博で国内旅行が定着し、その当時、国鉄(これも懐かしい)が“ディスカバージャパン”のキャンペーンを始める。同じ頃創刊されたファッション雑誌“an・an”と“non-no”が多数のカラー写真による旅行特集を掲載し始めた。美しい写真や記事に刺激され、これらのファッション雑誌を持った若い女性たちが特定の観光地に押しかけたので「アンノン族」と命名されたのである。旅行など全く縁がなかったが、年代的には私たちも辛うじてその仲間の一員であった。
 そこで紹介された観光地はそれまでのいわゆる観光地ではなく、各地の小京都と呼ばれる洒落た場所に代表される、つまり癒しが目的の場所に彼女たちは訪れたのである。そして、山陰の小京都と呼ばれたここ「津和野」にもたくさんの若い女性たちが押し寄せた。
 ところが、そうしたイメージは見事に覆された。連休の初日というのに「えっ、これだけ!」という観光客である。ましてや若い女性たちはいったいどこに隠れてしまったのだろう。特定のお店にだけに人は集中し、つぶれたお店や空き家も多く見られる。小京都というイメージの持つしっとりと落ち着いた雰囲気ではなく、町全体が暗く静まりかえった印象である。70年には15,412人いた人口も現在では約半分の8,348人にまで減ったという。