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珍しいことが起きた。1冊の本を1日で読み上げたのである。昔はそんなことは珍しくなかったし、ここまで興奮する話でもなかったのだが。昼から回復措置で休みを取り、生垣の剪定をする。2時間ほどで終わったので、シャワーを浴びて、キンキンに冷やしたアイスコーヒーを飲みながら借りてきた本を読み始める。前回、図書館に梅原猛の「葬られた王朝」をリクエストしたらすぐに購入してくれた。それに味を占めて今野敏の「隠蔽捜査3疑心」をリクエストしたら、すでに図書館にあるということで配送してくれた。
1と2「果断」は文庫本で持っている。今までの警察小説はどっちかというと一警察官(それも刑事)が主人公で、上に反抗する1匹狼という設定が多かった。ところが、このシリーズでは、主人公「竜崎伸也」。東大法学部卒、警視長。1では警察庁長官官房総務課長として、2では息子の不祥事で左遷された大森署の署長として辣腕を奮うという、今までにない新しい警察小説である。
彼はとにかく「原理原則」を貫き通す。妻(彼女の夫に対する対応がなんとも魅力的である)や同期の警視庁刑事部長である伊丹俊太郎(彼と竜崎との関係も楽しい)は彼のことをずばり“変人”と呼ぶ。それに対して「本音とたてまえを使い分ける人がまともで、本気で原理原則を大切だと考えている者が変人だというのは、納得できない」と反論する竜崎。その彼がいかに部下を使い、上との軋轢を乗り越えていくのか目が離せない。
2の「果断」の解説の最後には、「なお、すでにシリーズ三作目『疑心 隠蔽捜査3』が上梓されている。そのテーマの一つが《恋に落ちた竜崎》である」と書いてある。恋などとは全く無縁の生き方をしてきた竜崎、恋心が全く似合わない、妻には“唐変木”とまで言われる竜崎の恋。これを読まずに何を読む。久しぶりに読んだ。読んだ、よんだ、ヨンダ、面白かった!
私の悪い癖でつい内容まで書いてしまいそうだ。ここはぐっと我慢して、みなさんが読んで楽しんでくれることを期待しよう。1で吉川英治新人文学賞、2で山本周五郎賞・日本推理小説作家協会賞を受賞したという。読んで絶対損のない本。店長お薦めでなく、館長お薦めの1冊!