100427 イタチ

 3月の「にぎやかで、はなやかな」庭は、いつに間にか花も散ってしまい、静かな庭に戻っていた。花は落ち着いたが、代わりに緑が増えた。小学生の頃、下の娘が近くの男の子たちに「お前んとこはジャングルやの~」といじめられて嫌だったといつか話していたが、その話を聞いて私は娘には悪いが内心にやっとした。

 よく他人から、もう少し庭に石なんか置いて庭らしせなな、と言われたりもしたが、そうした庭は庭のような気がしなくて、木や草は植え、雑草は取るがあとはできるだけあるがままの姿で通してきた。生り物(柿や橙など)が多いなあとも言われたが、少しずつ植え替えてきたもみじや椿、利休梅にヒメシャラ、タツナミソウや十薬にワレモコウなど、ずいぶんお気に入りの庭になってきた。

 その代わり放っておくとこの時期毛虫だらけになって、木の下を通っただけで激しく反応してしまう連れ合いに文句を言われ、慌てて消毒することになる。土曜日と日曜日の半日を使って生垣(これには梅雨時になるとカタツムリがわいて出て、近所の男の子たちの遊び場になってしまう)の剪定と片付け、消毒に追われた。折りたたみの椅子を持ち出して袋に入れてごみに出せるように枝を小さく切っていた時のこと、「ユウ」のお墓のところをなにか生きものが動き回っている。黄色で、細長くて、顔はかわいい。イタチだ。

 時たま、夕方、道路を横切るのを見たり、水路に逃げ込むのを見ることはあったが、庭の中を、それも昼間に出てきて、顔を上げてこちらを見て逃げ出しもしないなんてのはこの家に移り住んで30年、初めてである。小さかったのでまだ子どもだったのか。それとも庭が彼らにとって我が家になってしまったのか。