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いろいろ探したのですが、内容にあった写真を見つけることができませんでした。 |
かつて、サントリー・資生堂・松下電器の三社がCMの御三家と呼ばれた時代があった。その中でもサントリーが一歩抜きん出ていたように思う。
S58年にはサントリーからローヤルのCMでランボーが出た。小人・イグアナ・砂漠に大道芸人。おまけに音楽も中近東風ときているから、これがどうしてウイスキーの宣伝なんだと作った本人のサントリーの社内が賛否両論に分かれ、侃侃諤々だったとか。ところが、このCMは文明批評とまで言われ、中年のインテリー層を含む若者に圧倒的に支持された。専門家といわれる人たちよりも一般大衆の方が時代の流れに敏感だったという好例ではないだろうか。ランボーのように自分の思うままに、やりたい放題の生き方が閉塞した社会に生きていく人たちに受けたのである。今の時代にも通用するCMではないか。と、今では屁理屈をこねるが、初めてこのCMを見た時の印象は「なんじゃー、こりゃー」だった。
この58年には缶ビールの宣伝にペンギンのイラストを使っている。あのイラストは宣伝部の女子社員が描いたものがもとになっているという。それに松田聖子のコマーシャルソングがついて大ヒットしたのである。ペンギンのひとしずくの涙が印象的だった。
もう一つ、同じ年に田中裕子を使った樹氷のCMがある。彼女の「タコがいうのよ」という得体の知れないつぶやきが話題になった。
この58年はサントリー宣伝史上、、特別な年であったようである。