100225 怖しい女・白蓮

     

 それにしても建物や庭の豪華さもけた外れだ。あの時代に水洗トイレがあったということにもあきれたが、節一つないという軒先の長い々鴨居(?)に驚く。しかし、そうした建物の素晴らしさだけでは人はなかなか呼べない。似たような建物は他にもたくさんあるからだ。なのに、どうしてここにはたくさんの人が集まるのか。たしかに今回は「ひな飾り」という素晴らしい目玉があったが、この時期、そうしたイベントはあちこちで行われて目新しくもない。それはやはり白蓮への関心の高さが生み出したものだろう。姦通罪(なんと時代錯誤な言葉か。とはいえ当時の男社会が作り出した大真面目な刑罰ではあった)が生きた時代に、自分の愛を貫いたその生き様が、中高年の、特に女性の心をつかんだからである。

 白蓮35歳の時、7歳年下の東大生の宮崎龍介と激しい恋に落ちる。「筑紫の女王」とまで呼ばれた白蓮はその夫、伊藤伝右衛門に向けて朝日新聞紙上に「公開絶縁状」をたたきつける。なんとまあ!それが世の中に与えた衝撃はどんなものだっただろうか。彼女のけた外れの生き方はとうていまねることはできないが、ことの是非を問わなければ、ひそかに拍手喝采をあげた人は当時多かったと思うし、ましてや今の中高年の女性は当然憧れを持っている。伝右衛門の立場には立ちたくないなー。

 その彼女が龍介にあてたラブレターの一節が展示されている。ラブレターという甘い言葉ではとうてい表せない内容であるが。よくも残っていたのだ。ここまで想われた龍介に同情したくなる。 

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