091001岩藤千晴(4)やんちゃなオヤジ

 今、目の前のパソコンの画面に、雪の降る画像が映し出されている。どうしてこんな映像が撮れたのか。降ってくる雪のかけら(?)が大きく映し出されている。タイトルは「040222雪の求菩提」となっているので、今から6年前の出来事になる。まだ現役だったので、この日は土曜日か日曜日のはず。朝早く、まだ布団の温もりを貪っていたはず。電話がかかる。「雪が降ってるよ。今から求菩提に登るから準備して!迎えに行くから」と、有無を言わさない電話だったはず。

 彼の車はCRV。4駆の威力で、雪の山道をぐんぐん登る。自分だったら絶対に来ないだろうなと密かに思いながら、いかにも信頼しきったふうをしながら・・・・。雪の重みで木が倒れたところで車を乗り捨て、歩き始める。ケモノ以外の足跡は全くなく、寒いのは苦手なのだが、くせになりそうな清々しさだ。

 途中、岩場を落ちる水が凍って、滝のようになっている場所などもあって、やはり夏場の山の姿とは全く違った姿を見せてくれている。そうそう、彼の愛犬バトラーも一緒だったが、先導するバトラーは時々振り返り、時々駆けもどっては、新人はちょっと心配だなとでもいうように私の顔を見上げる。そのバトラーも12月に死んだと聞く。合掌!

 帰りに何を思ったのか、彼は雪の降り積もった駐車場へ車を乗り入れる。雪道でスリップした時の対応の仕方は、実地で、身体で覚えるしかない。さあ、やるぞ!と、車を発進させる。わざとブレーキをかけてスリップさせる。そして、また立て直す。何度もなんども、あきもせずに繰り返す。ここでも彼のやんちゃな子どもの一面が顔を出してくる。彼は自分のことを「遊び人」だというが、私に言わせると、彼は「子ども心をたっぷり持ったオヤジ」だ。